今回は真竜が流行る環境の中で、見事『WW壊獣カグヤ』を使用してJGPで優勝した「リヴァイア」さん(@Revia0173)にお話を伺いました。
リンク召喚も浸透しつつあり様々なタイプのデッキが決勝トーナメントに進む中、「リヴァイア」さんが使用したデッキはとても珍しいものでした。
それでは「リヴァイア」さん、よろしくお願いします!
※インタビュー動画も合せてお送りします。
第6回 JGP 優勝「リヴァイア」さん
『WW壊獣カグヤ』デッキレシピ
『WW壊獣カグヤ』を作った経緯
ーこのデッキを作った経緯についてお聞かせ下さい。
今回は「WW壊獣カグヤ」を使用したのですが、その理由は自分のプレイが遅いことにあります。
少し前までは「真竜メタルKozmo」を使っていたのですが、ただでさえ思考時間が長い+
せっかく展開できるハンドなのに、展開時間も長いせいで焦ってしまうことが多かったです。そのため、今回はなるべくシンプルなデッキでサクサクプレイしたいなあと思ってこのデッキに手を出しました。
それと環境最後ということもあって、あまり見ないような変わったデッキを使おうという気持ちもありました。
正直このレシピでは急遽作ったのもあってエクストラの星7枠3種類でリトスに綺麗に3枚撃ち抜かれてしまうミスをしてしまっているので、クリアウィングかウィンターベルをファストに変えるべきでした。
『カグヤ』とは?
今回紹介するデッキの「カグヤ」とは、「妖精伝姫」シリーズの《妖精伝姫-カグヤ》を指します。
《妖精伝姫-カグヤ》効果モンスター
レベル4 光属性 魔法使い属 攻撃1850 守備1000
(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。
デッキから攻撃力1850の魔法使い族モンスター1体を手札に加える。
(2):1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。
相手はそのモンスターの同名カード1枚を自身のデッキ・エクストラデッキから墓地へ送ってこの効果を無効にできる。
墓地へ送らなかった場合、このカードと対象のモンスターを持ち主の手札に戻す。
この効果は相手ターンでも発動できる。
※《妖精伝姫-カグヤ》についての詳しい考察はこちらの記事で行っております。
【遊戯王 カード考察】『妖精伝姫-カグヤ』
『WW壊獣カグヤ』のカード採用理由(動画あり)
ーデッキ内のカードの採用理由についてお聞かせ下さい。
正直デッキテーマもあまり見かけないテーマということもあって、他の方のレシピを参考に組んでいったのですが、実際に使ってみないと強さが分からないカードが多かったので採用、不採用に悩みました。
入賞してからも「なぜこのカードが入ってるんですか?」といった質問が結構きたので主にそのカードを挙げていきたいと思います。
《スケープゴート》
これは後で基本の展開で説明しますが、カグヤのバウンスは自身を含めてのバウンスです。
そのため、壊獣が2枚無いとき相手のモンスター1体を確実にどけても自分の場が空いてしまって毎ターン攻撃が通ってしまう為にどうしてもダメージレースで負けてしまいます。
そこでスケープゴートで耐えつつ余ったトークンを次のターンにリンク召喚にまわして攻めにも使えるという防御面、攻撃面のどちらでも仕事をしてくれるカードです。
多少ダメージを受けても問題ない場面ではエンドフェイズに4体展開してから次のターンリンク召喚から入って攻めに回ることもできます。
実際大会では4体展開からミセス1、リンクスパイダー2の4900ゴリ押しや、ミセス2で相手の場のクリアウィングを殴り殺したり、といった場面がありました。ニンギルスから入って確実に1枚どかすのも強いです。
また、エンドフェイズに残っているからといって絶対に使うわけではありません。
「手札のWWとどちらで展開した方がいいのか」
「防御用として残しておいた方がいいのか」
など、後の事を考えてから使うといいです。
※ニンギルス→WW展開はできないので注意です。
《マクロコスモス》
このデッキは後攻を選択するのですが、「後攻でマクロコスモス欲しいですか?」といった質問がありました。マクロ先張りのメリットはマスターPをそのまま出される際に強いくらいだと思っているので、このデッキ相手に先にマスター出されようが壊獣で食べますし。真竜罠のモンスター破壊効果で壊獣をどかされてライフをとられるだけでもきついので、ただ単に相手の真竜魔法罠使わせないだけですが強いです。
後はメインギミックのカグヤとのシナジーです。
カグヤは対象のモンスターと同名モンスターをデッキから墓地に送られると無効にされてしまうのですが、マクロを貼っている場合は墓地に送ることができないので、裁定ではそもそもデッキから同名モンスターを選ぶことすらできないとなっています。なので確実にカグヤの効果を通すことができます。
《タイフーン》
壊獣を送り付けた上から真竜罠アドバンス召喚されるのを防ぐのに使います。後手を取るデッキというのもあってサイクロンよりも相手ターン中に使える機会のあるタイフーンの方を優先して採用しました。
さらに相手の真竜罠アドバンス召喚についてなんですが、思ったよりは怖くなかったです。理由はカグヤがある際に相手は安心してアドバンス召喚効果を使えないからです。
例)
タイミング1:壊獣を送り付けたタイミングでのアドバンス召喚→2枚目の壊獣がくるかも?
タイミング2:カグヤの召喚が成功→アドバンス召喚効果にチェーンで壊獣が戻される
あとはメイン終了時確認をしてバトルフェイズ中にカグヤ効果で壊獣を戻すだけです。
ですが実際は、カグヤがそんなに都合良く手札にきてなくて壊獣ビートになってしまうこともあるのでバックに触れるカードを採用しています。
そして、アドバンス効果より脅威なのが「真竜皇の復活」の蘇生効果です。それについてはこのデッキの弱点で説明します。
《壊獣》
WWとのシナジー、風属性のガダーラは3枚確定として手札で同じ壊獣がダブると壊獣で寄ってきたときに相打ちしかできなくなるので散らしました。ですが同打点のジズキエル、サンダーザキングを散らす意味は全くないのでそこはミスでした。
サンダーザキングの利点をあげるなら同系統のデッキと対面したときもしかしたら相手のデッキに採用されてなくてカグヤの効果が通るくらいですが、サンダーザキングを相手の場に出すのはかなりリスキーでもあります。
ガメシエル1クモグス2はガメシエルだとレベル8で相手に送り付ける側なので真竜にもしかしたらランク8の素材にされてしまう危険性、クモグスはレディエントの効果で回収できるメリットがあるためクモグスの枚数の方を多くしました。ドゴラン不採用の理由は恐竜で採用されている可能性が高いからです。
『WW壊獣カグヤ』の展開について
ー『WW壊獣カグヤ』の展開についてお聞かせ下さい。
壊獣カグヤの基本的な展開はシンプルです。
壊獣を相手フィールドに出す
↓
自分フィールドに壊獣を出す
↓
カグヤを出す
↓
カグヤで自身と相手の壊獣を戻す自分の場の壊獣で殴る
になりますが「相手壊獣→カグヤ→自分壊獣」 の順番だと壊獣を相手の場に出した時点での真竜罠によるアドバンス召喚の上からとっておいた壊獣を相手の場に出せるメリットがあります。
壊獣3枚持っているなら最初の順番でいいと思いますが。
大会では相手壊獣→カグヤの順番にしたところ、カグヤのサーチ効果に相手がうさぎを撃ってきてカグヤの効果をチェーンして戻せるのですが、それによって自分の場に壊獣が出せない場面がありました。相手のカグヤ効果勘違いでしたが逆にショックでした
そして、基本的に自分のターンに発動するカグヤのバウンス効果はバトルフェイズで行っていました。
理由は、バトルフェイズなら真竜罠のアドバンス効果をチェーンされないからです。
メイン終了時の確認からバトルフェイズに入ってカグヤ効果を使います。
今の環境ではほぼありえませんが、一応ヴェーラーケアにもなってますし。
『WW壊獣カグヤ』の強み・弱点について
このデッキの強みは2点です。
・確実に相手モンスターを退かせる
・確実に相手のリソースを枯らしていく
今の環境ではダイナマイトK、マスターP、クリスタルウィングといった盤面にいるだけで脅威のモンスターですが全く怖くありません。
さらに攻撃の要となるモンスターが少ないデッキが多い傾向にあるので、それを確実に減らしていくだけでこちらが一方的に攻撃できるゲームになっていることが多いです。
例えば12獣に関しては、ブルホーンでサーチされようが全てスルーして次のターンに壊獣でどかすことを繰り返していました。その結果、相手のエクストラはほぼ0の状態、12のギミック全て使わせることができました。
そして、このデッキの弱点はライフダメージを負いやすいということです。
「12獣を枯らすことができた」と言いましたが、最終的には相手は残っている12獣のリソースを使い切ってこっちのライフを0まで持っていきました。いくらリソースを枯らしてもライフが0では意味がありません。
なのでこのデッキは相手がこっちのライフを狩りにきたタイミングでいかに対応できるかが鍵になってくると思います。幽鬼うさぎの発動も基本は相手がライフを狩りにきたタイミング、
タイグリスで下に12を入れるタイミングで打つのが強いと思います。
毎ターン壊獣で確実にどかされる相手の身になって考えてみると、相手の身には特に危険性はないのですからライフをいつ0にしようかな、という考えにいきつくのも当たり前だと思います。
それと基本的に確実にどかせれるのは1体になりますので横に広げられると面倒です。ライカの蘇生効果等、そこで一番面倒なのが
「真竜皇の復活」です。これを通してしまってはこのデッキは絶対勝てないと思います。壊獣で1体どかしても毎ターン1体ずつ沸いてこられたのでは流石に対応できません。
ましてや防御力に欠けているこのデッキではタコ殴り状態です。
なのでタイフーンの説明のとおり、バックを割るカードを採用しています。
コズミックサイクロンはもはや復活を除外するためだけに手札に抱え、無駄にセットしない時もあります。相手のハンドが枯れていて、ドラDで復帰できるくらいじゃない限りセットしなくていいと思います。
毎ターンアタッカーが出てくる点では召喚獣もなかなかきついです。
環境外で分かりやすく言うなら幻影、シャドバでいうならロイヤルです。
JGPの環境について(動画リンクあり)
ーJGPの環境についてはどうでしたか?
正直「恐竜が多いかな?」と思って恐竜相手では手札誘発で対応するくらいでしか考えてなかったのでメインGやサイドにマイスター3等積んでいきました。(エクストラのレベル7、3種類ミスは別として)
でも実際そんなことはなく、恐竜が以外にも少なく12真竜や、トリックスター等あまり見ないデッキも多かったです。
JGPで対戦した試合についてはうろ覚えなのでおおざっぱに。
・1回戦目くろろさん 壊獣召喚獣 自分先行○○
せっかくサイコロで負けたのに「後攻」と言われて嫌な予感がしました。
まさかの1戦目から壊獣ミラーです。
試合内容はお互い事故でこちら1回もカグヤを引かずトークンリンクビートで勝ちました。もしもカグヤビートのハンドだったらカグヤが機能しなかった上に相手には苦手な召喚獣が入っているので
どうなっていたことか・・・・
・2回戦目P90さん WW真竜皇召喚獣 自分後攻○×ET○
2連続召喚獣です。
1戦目ガダーラ、WWからゴードンでカグヤ引いて相手スタンバイマクロで流石にハンドパワーで勝ちました。
2戦目はスケゴを相手エンドフェイズまで撃たずにWWで展開していた方が良かったのに発動してしまい、特に動けなくて負け、プルガトリオが怖くてさっさとスケゴ使いたいって気持ちがありました。
3戦目は相手のドラDに上手くうさぎが噛み合い、壊獣ビートでライフ差つけて勝ち。
・3回戦目向日葵さん 12獣真竜自分後攻××
壊獣カグヤの基本の動きはできてたのですが、守りが薄くライフ取られて負け。
相手バトルフェイズにサラブレにカグヤで殴りに行ったところダメステに聖杯くらってプランが全部崩れて負けです。バトルフェイズに入った時点で手札のツイツイ、コズミックを惜しみなく使うべきでした。
試合動画:(https://www.youtube.com/watch?v=Yrdsz3ypF4E)
・4回戦目KKさん WW真竜 自分後攻×○ET○
相手WW、魔導、ドラDの理想スタートで負け
相手WW、魔導、ドラD理想スタートで負けを覚悟したのですが、マクロスケープゴートからレディエント2等トークンリンクビートでなんとか勝ちました。
ETはお互いプレミし合ってなんか勝ちました。正直プレミの3ターンだったのでお互いなんとも言いづらい1戦でした。また今度プレミしないようにして再戦したいです。
・決勝トナメ1戦目ペリさん AFトリックスター 自分後攻○○
トリックスタースタートでとりあえずマンジュバーンが嫌だったので即怪獣投げ、からドロバリンカケアでバック伏せて対応しました。最終的にマクロがAFギミック、リンカ墓地蘇生効果に刺さって勝利。
2戦目もマクロの活躍でした。マクロ、砂塵でバック2枚除外が勝負の決め手でした。
・準決勝GASAさん WWトリックスター 自分後攻○○
1戦目なんか勝ち。
2戦目相手攻撃主リソースが付きてサンダーザキングビートで勝ち。一見アホらしく見えますが、このデッキの勝利パターンなので理にかなった勝利だと思います。
トップサンダーザキングじゃなくても墓地の妨げからもっと強いジズキエル持ってくるだけでしたし、最終ターンまで唯一の逆転札アイスベルを封殺するうららを残してました。
試合動画:(https://www.youtube.com/watch?v=WR4aXXy77-Q)
・決勝戦 向日葵さん12獣真竜 自分後攻○ET○
相手12スタートに壊獣クモグス投げつけ、ゴウフウでデコード。リンク先にクモグス、グラスベル。
返されたところにカグヤを投げつけてさらに返されたところにアイスベルからクリスタルで勝ち。
相手12スタートにゴウフウでリンクスパイダー、先にプロキシー。リンク3しようと思いましたがハンドがマクロ、ミラフォだったので攻撃面でプロキシー守れるし確実にバックを守る為にプロキシー先にグラスベルで 2セットエンド相手2セットにツイツイ撃ってきたのでプロキシー効果で守りました。マクロミラフォが通ってETトポロジック出して相手の場に壊獣からトポロジック効果
(マクロ貼ってあるんでこれが罠真竜の可能性、相手のハンドが12でエクシーズ下に入れられる可能性考えて一番有効だと思ってこうしました)で3000ダメ与えて勝利。
試合動画:(https://www.youtube.com/watch?v=pcPewL-wuYc)
リンク召喚について
ーリンク召喚についてどう考えますか?
今回の大会ではかなり助けられました、というかもはやリンクデッキみたいな引きでしたけど、正直毎月新規が出るたびに出す位置を考えたりするのが面倒だなあって気持ちです。でもこれからどういった環境になるのか楽しみでもあります。
最後の一言
今回優勝できましたが「正直、運が良かっただけじゃ・・・」とか思うことはありました。でも、優勝後にとある青森YPの「Tくん」が
「このデッキが今日一番つええんだあ・・・。優勝したんだから、俺はこのデッキになんも言えねえ・・・」
と褒めてくれたので素直に優勝を受け止めることができました。
「勝ってなんぼ、俺が勝たねえ遊戯王はつまんねえんだあ・・・」
勝つために色々と練るのは楽しいです。相談し合ったりが大好きなので、どうぞTwitterや大会会場で気軽に話しかけてください。
今後も仕事忙しいですけど遊戯王を楽しみたいと思います。
今回はこのような記事に載せていただける機会をくださりありがとうございました!
フルハ:リヴァイアさん(@Revia0173)、この度はありがとうございました。優勝おめでとうございます。
珍しいデッキを使いながらも、そのまま優勝してしまうその構築力に脱帽です。
お仕事お忙しいかと思いますが、お互いこれからも遊戯王をできる範囲で楽しんでいきましょう♪
とある青森YPの「Tくん」が誰なのか気になるところですが、今後も不定期で気になった方のお話を伺っていきたいと思います。
それでは、最後まで読んで頂きありがとうございました(^^)
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※↑アイコンをタップすると、とある青森YPの「Tくん」の…が。
コメント
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よぅかさん、お久しぶりです♪
コメントありがとうございます!相手ターンも使用できる効果のカードが好きなので、妖精伝姫の中でもカグヤはシラユキと同じくらい好きなカードですb
シンプルながらに強いようですねb WWは次の規制がどうなるのか気になるところです。スケゴは防御用という考えしなかったのですが、リヴァイアさんのお話を聞いて本当にカードは使いようなのだなと思いました。
僕も今使っている星杯に組み込んだ構築を考えますw
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ww壊獣カグヤは大会結果を見てて気になってました!
壊獣をカグヤで戻す動きはシンプルながら強い、個人的にはカグヤが手札に戻るのは再利用できるが盤面を薄くするのでは…と思いましたが、壊獣のパワー舐めてました。wwは出張として便利ですが、いずれなにかしら規制喰らいそうで怖いですね震。
スケゴが防御にも展開にも使えるのはすごく便利なので、リンクもいいなぁと思ってしまいます。カグヤはトーチ・ゴーレムと予想GUYで無限ドローできたり、可能性の塊だと再確認できました。スケゴのタイミング以外はギミックは単純で楽しそうです…組みたい…。